ラック(保管棚)は、効率的な倉庫業務を行うための要であり、スペースの最適化と業務の効率化において重要な役割を果たしています。在庫を保管するための主要な構造として、様々なタイプのラックを理解することは、倉庫内の垂直・水平双方向のスペースを最大限に活用するためにとても重要です。
ラックは、倉庫のニーズの変化に合わせて、より幅広い商品を保管することや、自動化の促進を含め、より多くの保管ソリューションの必要性により、進化してきました。本記事では、どのようなラックが倉庫運用上の要求を満たすことができるか、また倉庫最適化に最も効果的なラックシステムの選択方法について順を追ってご紹介します。
倉庫ラックの種類
パレットラック
パレットラック では、パレットは垂直フレームに固定された横桁上に保管されます。これらのフレームは通常、保管品のサイズと重量に対応するため、一定の間隔で配置されています。パレットラックは、自動化されていない倉庫でもっとも一般的な保管ソリューションで、個々のパレットに直接アクセスすることができます。これにより、各パレットは視認しやすくなり、積み下ろしも容易になります。
ドライブイン/ドライブスルーラック
ドライブイン・ラックは、フォークリフトによる片側からの荷物の積み下ろしを可能にすることで、スペース効率の高いソリューションを提供し、後入れ先出し(LIFO)の在庫管理を容易にします。このシステムは、通路を最小化することでスペースを最適化し、アイテムを大量に保管する場合に特に有効となっています。
一方、ドライブスルー・ラックは、ラックの両側からフォークリフトがアクセスでき、先入れ先出し(FIFO)の在庫管理に適しています。この仕組みは、生鮮品のような厳密な管理が必要な品目には有利ですが、両側からラックへのアクセス用通路を設定する必要があり、ドライブイン・ラックに比べてスペース効率は若干低下してしまいます。
パレットフロー・ラック
パレットフロー・ラックは、先入れ先出し(FIFO)の原則に従い、傾斜角を利用してパレットを移動させます。パレットは一方の端から積み込まれ、傾斜のあるローラーを滑って回収地点まで移動します。この方法は、生鮮品の管理、在庫の鮮度の最適化、賞味期限切れの防止による廃棄物の大幅削減など、食品・飲料業界で用いられることが多い保管ソリューションです
プッシュバック・ラック
プッシュバック・ラックは通常2~5段で構成されており、パレットを通路側から押し込んで格納する先入れ後出し方式のパレット保管ソリューションです。ラック構造内の傾斜レール上に配置されたトレイを利用します。新しいパレットを積み込むと、前に積み込まれたパレットがレールに沿って押し戻されるため、”プッシュバック”と呼ばれています。この仕組みは、スペースを最適化し、多様なSKUに簡単にアクセスできるため、小売業や卸売業など、同じ商品を大量に扱う環境に最適です。
ダブルディープ・ラック
ダブルディープ・ラックは、1つの在庫品を別の在庫品の後ろに積み重ねることで、各通路内の保管容量を倍増させ、保管効率を最大化するように設計されています。この保管ソリューションは、商品の流れや業務効率に大きな影響を与えることなく、倉庫スペースを効率的に利用することができます。
キャンチレバー・ラック
キャンチレバー・ラックは、材木、パイプ、家具など、長くてかさばる物品の保管や商品取出しに適しています。水平アームが外側に伸びる直立した支柱が特徴で、前面に垂直の支柱がなくても収納箇所を作ることができます。この開放的でシンプルなデザインよって、フォークリフトでの荷物の積み下ろしが容易になります。このシステムは、建築資材の保管や製造工場等に有利で、特大製品の取り扱いや保管に柔軟性とスペース効率性をもたらします。
モバイル・ラック
モバイル・ラックは、決まった導線を滑走する可動式機器に棚を取り付けることで、倉庫スペースを最適化します。これらの可動機器は棚の下にコンパクトに取り付けることによって、収納密度を最大化することができます。この設計は、スペースを最大限に活用する必要のある冷蔵倉庫や記録保管倉庫のような環境では特に有効となります。レイアウトを簡単に組み替えることができ、保管されている品目の取出しも容易にできるため、モバイル・ラックは床面積を効率的に活用できる多用途のソリューションとなっています。また、倉庫を在庫品にアクセスしやすく整理された状態を保ちながら、さまざまな保管ニーズに対応することができます。
効率的な保管とピッキングのための最適なソリューションの選択
ビジネスの成長と需要の変化を見越して倉庫の効率と適応性を最大化するには、様々な変化に臨機応変に対応するラックを検討することが極めて重要になります。ExotecのSkypod®システムのような最先端のロボット自動保管・検索システム(AS/RS)を採用することは、自社のオペレーションを将来にわたって安定させる鍵となります。Skypodシステムは、従来と比較して最大5倍の保管密度を提供するだけでなく、倉庫管理のあり方を180度変える象徴として、進化するロジスティクスの課題に対応する比類のない柔軟性を提供します。 Eコマース・チャネルの追加、SKUポートフォリオの再構成、B2BからB2Cフルフィルメントへの移行など、このシステムは現在あるニーズを満たしながら、ビジネスモデルの進化に合わせて迅速に変更することができます。
現在の倉庫オペレーションをどのように変革できるか、詳しくは弊社チームまでお問い合わせください。
インサイト
-
2024年5月2日オーダーピッキングガイド:オーダーピッキングの種類や方法について
-
2024年4月18日倉庫を最適化するケースピッキングとは?
-
2023年5月17日ロボティクスを駆使したGoods to Personソリューションで倉庫を最適化